スーパージャンクション (Superjunction, 略してSJ)とは?
スーパージャンクション構造は、左図(スマホは上図)に⽰すように細⻑いn 型半導体と p 型半導体を交互に周期的に配列した構造であり、これをパワー半導体に組み込むことによりシリコン半導体の電⼒損失を低減することが可能です。SJ構造を使用したシリコンのパワーMOSFET(Si-SJMOSFET)が世界のパワー半導体メーカーで市販化されています。⽮野研究室では 1999 年のカナダ・トロント⼤学への留学の際にシリコンスーパージャンクションパワー半導体の研究に着⼿して以来、同パワー半導体の研究開発を続けています。
Si-SJBJT (シリコンスーパージャンクションバイポーラトランジスタ)の開発
矢野研究室は、2020年に新日本無線株式会社(現日清紡マイクロデバイス株式会社)と共同で、左図のようにシリコン半導体でスーパージャンクション構造を従来の接合型バイポーラトランジスタのドリフト層に適用した、Siスーパージャンクションバイポーラトランジスタ(Si-SJBJT, 左図、スマホは上図)を開発しました。Si-SJBJTは従来のバイポーラトランジスタよりも高い電流増幅率で動作することが可能です。